AI実務サービス REPORT
「うちの会社は、その仕事をやっている。ホームページにも書いてある」。それなのに、ChatGPTやGoogleのAIに依頼先を聞いても、自社の名前が出てこない。
こんなとき、最初に考えたいのは「AI検索対策が足りないのでは?」ということだけではありません。会社が伝えている言葉と、仕事を頼みたい人が使う言葉が、ずれていないでしょうか。
AIが特定の会社を紹介しなかった理由は、一度の回答だけでは分かりません。それでも、自社のページに「見込み客が判断したい情報」があるかは、今日から確認できます。今回は、架空の段ボール製造会社を例に、質問の作り方から実際のページ改善までを具体的に見ていきます。
「段ボールを作る会社」と「ネット通販用の箱を頼める会社」は同じ説明ではない
例えば、ある会社のホームページに「包装資材の製造・販売」「長年培った技術力で幅広いニーズに対応」と書いてあるとします。会社の事業は伝わりますが、これだけでは具体的な依頼の可否を判断しにくいかもしれません。
一方、ネットショップを始める人が知りたいのは、「発送する商品に合う箱を作れるか」「ロゴを入れられるか」「大量発注でなくても相談できるか」です。探しているのは業種名ではなく、いま必要な仕事を引き受けてくれる会社です。
「高品質な包装資材を幅広く製造しています。多様なニーズにお応えします。」
「ネット通販の発送箱をオリジナルで作れる? 数量が少なくても相談できる? 見積もりには何が必要?」
両者は矛盾していません。問題は、その間をつなぐ情報がページ上にあるかどうかです。営業担当者なら口頭で説明できる内容でも、初めてサイトを訪れた人には分かりません。
会社名を入れず、見込み客の言葉で1問だけ聞いてみる
最初から何十問も試したり、回答を記録したりする必要はありません。例えば次のように質問します。
「ネットショップの商品を発送する箱を、オリジナルで製造してくれる会社はありますか?」
ここで紹介される会社を見るのは一つの参考です。自社が出なかったら、次に自社のサービスページを開いて、同じ質問に答えられるか確かめます。紹介されなかったこと自体を、サイトに問題がある証拠と考える必要はありません。
反対に、自社が紹介されても「対応数量」や「制作内容」をAIが間違って説明していたら、公式サイトに古い情報や曖昧な記述がないか確認するきっかけになります。
同じ段ボールでも、聞き方が変われば必要な答えも変わる
最初の1問で気づきがあったら、ここで少し視点を広げます。会社を探す人は、必ずしも「段ボール製造」といった業種名から質問するわけではありません。
商品を壊さず届けたい
「配送中に商品が傷つきにくい梱包箱を相談できる会社はありますか?」
ネットショップを始める
「ネットショップの発送用に、オリジナルの箱を作ってくれる会社はありますか?」
まずは少量で試したい
「初回は100箱くらいから注文を相談できる会社はありますか?」
ロゴ入りの箱を作りたい
「自社ロゴを印刷した小型の段ボール箱を作ってくれる会社はありますか?」
これは検索件数の多い質問を並べたものではなく、依頼する人の視点を変えた説明用の例です。実際に対応していない内容を、AI対策のために追加してはいけません。逆に、すでに対応できる仕事なのにサイトで説明できていなければ、そこが改善候補になります。
具体例:サービスページを「会社の説明」から「頼めることの説明」へ変える
ここからは、架空の会社が通販向け箱の製作、ロゴ印刷、少量案件の個別相談に実際に対応しているという前提で、ページの一部を作り直します。
改善前|自社の特徴はあるが、依頼の判断ができない
ページ見出し:包装資材事業
説明文:「豊富な実績と技術力を生かし、多様なニーズにお応えします。」
案内:詳しくはお問い合わせください。
改善後|何を頼めて、どう相談するかが分かる
ページ見出し:通販・EC向けオリジナル段ボール箱の製作
説明文:「ネットショップの商品発送に使うオリジナルの段ボール箱を製作しています。商品に合わせたサイズの調整やロゴ印刷に対応します。少量のご依頼も、仕様・数量を確認したうえで個別にご相談を承ります。」
対応内容:オリジナルサイズ/ロゴ印刷/数量・仕様の個別相談
見積もり前の案内:「用途、箱のサイズ、希望数量、希望納期をお知らせください。仕様が決まっていない場合は、分かる範囲でご相談ください。」
改善のポイントは文章を長くすることではありません。見込み客が判断したい「用途」「頼める作業」「条件」「次の行動」を、実際に確認できる事実として掲載することです。対応事例が公開できるなら、写真や具体的な製作例へのリンクも判断材料になります。
掲載先も重要です。会社概要に長い説明を足すより、その仕事を紹介しているサービスページに情報を置く方が、検討する人は探しやすくなります。既存のページがあるなら、まずそのページの見出しや説明文を見直します。
AIの回答を見た後は、結果に合わせて対応を変える
「自社が出た・出ない」という二択だけで判断すると、直す必要のないページまで変更してしまいます。次のように整理すると、何を優先するかが分かります。
自社が出ず、公式ページにも答えがない
提供できる内容を社内で確認し、該当サービスページへ不足する情報を追加する。
自社が出ないが、ページの説明は十分
一度の回答だけで原因を決めない。必要ならGoogleの登録状況や一般的なSEO、情報の見つけやすさを別途確認する。
自社は出たが、説明が間違っている
正式名称、料金・対応条件、古いページと現行ページの食い違いを確認する。公式情報に問題がなくてもAI側の誤りは起こり得る。
自社が正しく紹介されている
リンク先のページで、サービス内容や問い合わせ方法が分かり、依頼につながる状態かを見る。
Google Search Consoleの「URL検査」は、Google検索への登録状況を調べるための方法です。ChatGPTが特定の会社を紹介するかを判定する機能ではありません。自社ページの情報が十分なのに紹介されない場合、別の確認事項として扱います。
Google検索セントラルも、AIによる概要やAIモードで、基本的なSEOや利用者に役立つ独自の情報が重要だと案内しています。どの対策にも、AI検索への掲載を保証する仕組みはありません。
経営者が今日やるなら、ここまででいい
1.自社で受注を増やしたい商品・サービスを一つ選ぶ。
2.その仕事を必要とする人が入力しそうな質問を、会社名を入れずに一つ聞いてみる。
3.該当サービスページを開き、その質問に答える記述があるかを見る。なければ「何を頼めるか」「条件」「相談方法」のうち不足する一か所を確認する。
今すぐ記事やページを増やす必要はありません。まず一つ、実際に受けられる依頼について、見込み客が判断できる説明に直してみる。営業では伝えているのにWebには書かれていないことがあれば、そこから着手できます。
一方、商品が複数ある、相談内容が幅広い、質問に答えようとするとページをまたいで情報が散らばる。こうした会社では、一問ずつ見直すより、見込み客の質問とその根拠をまとめて整理する方法が向いています。
見込み客の質問に、会社が答えられる情報を用意する
ルーチェワークの「AI検索向け|御社が答えになれる30問30答」は、会社を知らない見込み客が実際に聞きそうな質問30問を設計し、公式Webサイトや提供資料に基づく回答を作成するサービスです。
「会社ができることはあるのに、どんな質問に対して説明すればよいか分からない」「公式サイトの情報が複数ページに分かれている」。そのような場合に、回答の根拠や確認事項を整理し、Web掲載用HTMLまで制作します。Word・Excel形式も納品します。質問30問を会社側で考える必要はありません。
1社88,000円(税込)・1回完結・月額契約なし。納品後30日以内の後払いです。AI検索での表示・紹介を保証するサービスではなく、検索登録の不備を修正する作業も含みません。
30問30答の内容・実例を見るまだ30問は必要ないと感じる企業には、公式サイトをもとに見込み客が聞きそうな質問3問だけを無料で提案する案内もあります(法人限定・1社1回・毎月先着3社)。
参考:Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」。本文の製造会社・質問・改善前後の文章は説明用の架空の例です。